式入力演算・進数変換ソフト「UMEC」

概要と基本操作

●概要

このうさみみハリケーン補助ツール(同梱UMEC.exe)は、「1+2-3*4+5%6」、「1.234+1/2」のような、整数や実数を用いた式を文字列として入力すると、その式を演算して結果を出力します。入力する式には2/10/16進数の数値を混在させることが可能です。各種関数を用いた演算にも対応しています。演算結果の出力は2/10/16進数やリトルエンディアンにも対応しており、一般的な電卓としての使用だけではなく、プログラム解析時の補助にも役立ちます。
入力された文字列を、キャラクターコードに変換して表示する機能もあります。
64ビット整数や128ビット整数および数十万桁といった巨大な整数(多倍長整数)での、四則演算と論理演算と進数変換は、追加ソフトの「UMECappend」(同梱UMECappend.exe)が対応しています。加えて、Base64やROT13のデコード機能も実装しています。UMECappend.exeは、.NET Framework 4.5 以上が(プレ)インストールされた環境で実行可能です。なお、Windows 8(無印)以降ならば、.NET Framework 4.5 以上がプレインストールされています。

●基本操作

ダイアログ最上部にある式入力エディットボックスに式を入力します。進数変換を行いたい場合は、数値をそのまま入力します。式や数値の入力時には、式入力エディットボックス上での右クリックによるポップアップメニューや、各入力補助ボタンを使用することで、入力を簡易化することが可能です。
入力された式の演算結果が式入力エディットボックスの下にある演算結果出力エディットボックスに表示されます。
必要に応じて、「Q-Save」ボタンで式入力エディットボックスの入力内容をテキストファイルに保存します。保存された内容は「Q-Load」ボタンで読み込みます。

基本機能

●演算

四則演算（+,-,*,/）、べき算（＾）、剰余（%）、論理演算(|(OR),&(AND),$(XOR),!(NOT))、左ビットシフト（<）、右ビットシフト（>）が可能です。剰余と論理演算及びビットシフトは被演算値が整数である必要があります。
括弧を使うことで演算の優先順序を変更することができます。
複数の式を入力する場合、式の区切りはカンマ（,）で行います。関数内のカンマは区切りとはみなしません。

●変数の定義

「X=3;」という形で変数を定義します。変数の一文字目は必ずアルファベットを使用します。セミコロンは変数の定義に続けて演算する式を入力する場合に使用します。変数の定義をカンマで区切ることもできます。また、変数には「X=Y+Z」という形で式を定義することも可能です。
定義された変数は、「X=3;(X*3+2)^4」や「X=2,Y=7,X*24+Y*215」というように、数値として演算に使用することが可能です。

●定義済みの定数

解析・改造関連
IB=0x00400000
DIB=0x10000000
MP=0x00001000
MR=0x00010000
F4=0xFFFF
F7=0x7FFFFFFF
Q5=99999
Q6=999999
Q7=9999999
Q8=99999999
Q9=999999999
三角関数関連(変数名と値はMicrosoftの技術情報での定義に準拠)
PI=3.14159265358979323846
PI_2=1.57079632679489661923
PI_4=0.785398163397448309616
M1_PI=0.318309886183790671538
M2_PI=0.636619772367581343076
E=2.71828182845904523536
LN10=2.30258509299404568402
LN2=0.693147180559945309417
LOG2E=1.44269504088896340736
LOG10E=0.434294481903251827651
M2_SQRTPI=1.12837916709551257390
SQRT2=1.41421356237309504880
SQRT1_2=0.707106781186547524401

●関数

算術演算関連
int(x)..........実数xを整数に変換
ceil(x)..........実数xの小数部分を正の無限大方向に切り上げて整数に変換
floor(x)..........実数xの小数部分を負の無限大方向に切り下げて整数に変換
round(x)..........実数xの小数部分を四捨五入して整数に変換(正の値用)
round2(x)..........実数xの小数部分を四捨五入して整数に変換(負の値用)
abs(x)..........整数xの絶対値
fabs(x)..........実数xの絶対値
fmod(x,y)..........x/yの剰余
pow(x,y)..........xのy乗、立方根の演算にも使用可能：例「pow(27,1/3)」
root(x)..........xの平方根
sqrt(x)..........xの平方根
三角関数関連(関数名はMicrosoftの技術情報での定義に準拠)
sin(x)..........xはラジアン
cos(x)..........xはラジアン
tan(x)..........xはラジアン
asin(x)..........-1<x<1
acos(x)..........-1<x<1
atan(x)
atan2(x,y)..........x/yのアークタンジェント
sinh(x)
cosh(x)
tanh(x)
exp(x)
log(x,y)..........底xに定義済み変数Eを使用可能
log10(x)

●多項式の展開

「(X*3+Y*2)^2」といった多項式を展開します。この例では「9*X^2+12*X*Y+4*Y^2」となります。
多項式の入力前に、多項式に用いられる変数が総て定義されていれば、それを元に展開ではなく演算を行います。

基本注意事項

●標準フォント

初回起動時に、式入力エディットボックスの標準フォントをお好みのフォントに変更することをお奨めします。フォント変更は式入力エディットボックス上での右クリックによるポップアップメニューから行います。

●入力

数値の入力は必ず半角英数字で行って下さい。
入力可能な整数の最大値は0x7FFFFFFFです。必要に応じて実数を使用して下さい。あるいは、多倍長整数の演算に対応した同梱UMECappend.exeを併用してください。
入力値の認識は、数値の前に「0x」を付ければ16進数、「0L」を付ければ16進数のリトルエンディアン、「0b」を付ければ2進数の数値として認識します。「0L」を付ける場合は必ず1バイトを2文字で入力して下さい。また、「0b」を付ける場合は必ず0と1で入力して下さい。
16進数や2進数で入力された数値は整数とみなします。
入力された式の中で整数と実数(小数、整数にならない除算、べき乗演算、関数使用を含む)が混在している場合には、誤った演算結果が表示されないよう、[強制実数モード]を有効にしてください。式の一番最初に入力する整数を、実数扱いにすることでも対処可能です(例：「1」→「1.」)。
「1.25e+5」のような実数の入力には対応していません。「1.25*10^5」というようにべき算を使用して下さい。
文字列入力の上限は102400文字です。
クイックロード(Q-Load)によるテキスト読み込みや、ドラッグ・アンド・ドロップによるテキスト読み込みも可能です。読み込むテキストファイルのサイズ上限は100KBです。
改行と半角スペースは無視します。

●演算

整数はDoubleWord(4バイト)の値として演算を行います。特に論理演算時に注意して下さい。
論理演算は、論理演算記号までの入力された式の演算結果に対して行います。
数値0での除算はエラーになります。
演算の種類や関数によっては、被演算値が整数でないとエラーになるものがあります。必要に応じて「int()」等の実数->整数変換関数を使用して下さい。
変数の定義と式の展開はなるべく別個に行って下さい。もし入力内容が無限循環になっていると当ソフトウェアはフリーズします。
論理演算のNOTは、「!」までの演算結果をビット反転し、さらに「!」の後に指定した値をビット反転したものでANDします。例えば「0x0000FFFF!0」なら演算結果は「0xFFFF0000」ですが、「0x00FF00FF!0x0000FF00」なら演算結果は「0xFF000000」になります。

各コントロールの説明

●画面説明

●式入力エディットボックス
■式入力エディットボックス
演算する式を入力します。進数変換目的で数値だけ入力することもできます。

●式入力エディットボックス上での右クリックによるポップアップメニュー
■テキスト処理関連
「やり直し」はOSのバージョンによっては使用できません。

■定数の入力
定数を簡易入力します。入力は現在のエディットボックス内の選択位置に行います。

■定義済み関数の入力
定義された関数を入力します。入力はエディットボックス内の現在の選択位置に行います。文字列が選択されている場合は、その文字列を括弧で括るように入力します。

■標準のフォントを設定
設定されたフォントは設定ファイル「UMEC.ini」に初期設定として保存されます。

●入力補助ボタン
■0x
16進数の数値を入力する際の接頭辞「0ｘ」を入力します。

■0L
16進数の数値をリトルエンディアン方式で入力する際の接頭辞「0L」を入力します。入力する数値は必ず1バイトを2文字で入力して下さい。

■0b
2進数の数値を入力する際の接頭辞「0b」を入力します。入力する数値は必ず1と0で入力して下さい。

■(　)
式入力エディットボックス内で選択されている文字列を括弧で括ります。

■CR
改行を行います。

■Clr
式入力エディットボックス内の全文字列を削除します。

■その他
入力補助ボタンの表示文字列をそのまま入力します。

●入力内容の保存と呼び出し
■Q-Save(クイックセーブ)
式入力エディットボックスに入力されている内容を、テキストファイル「UMECsav.txt」として保存します。「UMECsav.txt」が既に存在する場合は、警告無しで上書きしますので注意して下さい。

■Q-Load(クイックロード)
入力内容保存用テキストファイル「UMECsav.txt」を読み込んで式入力エディットボックスに出力します。

●バージョン情報
■バージョン情報
当ソフトウェアのバージョン情報を表示します。

●整数の数値表現のオプション
■符号付き　Byte/Word
デフォルトでは整数の演算と結果表示は符号付きDoubleWord(4バイト)をベースに行いますが、このオプションを有効にすると、10進数（Decimal）の表示を符号付きのByte(1バイト)あるいはWord(2バイト)に対応させます。さらに、16進数(Hex)及び16進数リトルエンディアン方式(Hex-LE)の表示をDoubleWordに符号拡張して表示します。例えば入力値「0xFF」や「0xFFFF」が10進数では「255」や「65535」ではなく「-1」と表示されるようになり、16進数では「0xFFFFFFFF」と表示されます。このオプションは10進数（Decimal）と16進数(Hex)及び16進数リトルエンディアン方式(Hex-LE)の表示にのみ影響を与えます。

■符号無し　10進数
デフォルトでは整数の演算と結果表示は符号付きDoubleWord(4バイト)をベースに行いますが、このオプションを有効にすると、10進数（Decimal）の表示を符号無しDoubleWordで行います。例えば入力値「0xFFFFFFFF」が10進数では「-1」ではなく「4294967295」と表示されます。このオプションは10進数（Decimal）の表示にのみ影響を与えます。オプション「符号付き　Byte/Word」を併用すると、Byte(1バイト)あるいはWord(2バイト)の値が符号拡張されることに注意して下さい。

●整数・実数演算のオプション
■強制実数モード
式の構成要素を全て実数とみなして演算を行います。入力された式の中で整数と実数が混在している場合には、このモードを使用してください。

●その他のオプション
■Top
当ソフトウェアのダイアログの通常表示と最前面表示を切り替えます。

●演算結果出力エディットボックス
■Binary
演算結果を2進数で表示します。入力値が実数だった場合も表示は整数として行います。

■Decimal
演算結果を10進数で表示します。

■Hex
演算結果を16進数で表示します。入力値が実数だった場合も表示は整数として行います。

■Hex-LE
演算結果を16進数のリトルエンディアン方式で表示します。入力値が実数だった場合も表示は整数として行います。

■Float
演算結果を4バイトの実数として、16進数で表示します。

■Float-LE
演算結果を4バイトの実数として、16進数のリトルエンディアン方式で表示します。

■Double
演算結果を8バイトの実数として、16進数で表示します。

■Double-LE
演算結果を8バイトの実数として、16進数のリトルエンディアン方式で表示します。

●テキストのキャラクターコード表示エディットボックス
■Text(ANSI)
式入力エディットボックスに入力された文字列をANSI文字列と認識して、16進数のキャラクターコードで表示します。半角文字だけでなく全角文字でもキャラクターコードを表示可能です。

■Text(Unicode)
式入力エディットボックスに入力された文字列をUnicode文字列と認識して、16進数のキャラクターコードで表示します。半角文字だけでなく全角文字でもキャラクターコードを表示可能です。